金属溶射(Zn・AL・Zn-AL等)

金属溶射とは

溶射法では、多種多様な金属を成膜することができます。(金属、セラミック、サーメット、アモルファス、プラスチックなど)
基本的に、線材や粉末に成型可能で溶融するものであれば成膜することが可能です。

強度アップをはじめ、長期間の防食性の付与のため、亜鉛、アルミニウム、スズおよびそれらの合金をコーティングすることができます。

金属への溶射はもちろん、樹脂・紙などめっき加工が困難なものへの溶射加工も可能です。

金属溶射の特徴

金属溶射皮膜は、他のコーティング法と比較すると以下のような特長があります。

  • 厚盛が可能
  • 成膜効率が高い
  • 母材質を選ばない(鉄、ステンレス、アルミ、銅、セラミック、ガラス、木材など)
  • 母材の熱影響が少ない(100℃以下)
  • コーティング対象物の大きさに制限がない
  • ドライプロセスである

金属素材別の用途例

金属の溶射皮膜については、主に以下のような種類がございます。

金属溶射の溶射法

金属溶射に用いられる溶射法は、主に以下の方法を使用します。

1.ガスフレーム溶射

酸素ガス、燃料ガスの炎で溶射材料(線材)を溶融し、吹き付ける方法です。
比較的簡易な装置で施工することが可能です。

ガスフレーム溶射

2.アーク溶射

溶射材料(線材)に直流の電気を流し、アーク放電を発生させて線材を溶融させます。
その溶融させた溶射材料を圧縮空気などで噴射させる方法です。

溶射材料を十分溶融することができるので、高い密着力や機械的強度を発揮させることが可能です。

アーク溶射

3.プラズマ溶射

10000℃を越えるプラズマを発生させ、プラズマジェットを用いて溶射材料を溶融し高速で吹き付ける方法です。
高融点材料を吹き付けることが可能で、緻密な皮膜を形成することが可能です。

プラズマ溶射

コーティング材料特性一覧

◎最適 ○適する

材料名 代表組織(wt%) 用途 適用条件・特徴
耐摩耗 耐熱 耐食
低融点金属
亜鉛 99.9-Zn 防錆 PH6~12
アルミニウム 99.7-Al 防錆 PH4~8<
亜鉛アルミ合金 Zn-13Al 防錆
アルミマグネシウム合金 Al-5Mg 防錆
炭素鋼
低炭素鋼(軟鋼) 低C IH皮膜、厚肉盛補修
高炭素鋼(ピアノ線) 0.8C 硬化肉盛補修
ステンレス鋼
SUS420J2 マルテンサイト系 13Cr-0.4C SUS410より硬い
SUS430 フェライト系 18Cr-0.1C SUS410より軟らかい
SUS316 オーステナイト系 18Cr-12Ni-2.5Mo-0.6C 非磁性 耐食性良
非晶質合金
アーマコア16 Fe-21Cr-6.5Ni-3.0Mo-2.5B他 耐エロージョンコロージョン
銅合金
純銅 99.8-Cu 導電線皮膜
黄銅(真鍮) 66Cu-36Zn 加工性良好
アルミニウム青銅(アルミブロンズ) 90Cu-9Al-1Fe 耐焼付き性良好
耐熱・耐食合金
ニッケルアルミ Ni-5Al 下盛材料
ニッケルクロム 80-20 80Ni-20Cr 耐高温酸化
ニッケルクロム 50-50 50Ni-50Cr 耐高温腐食
モネル 67Ni-30Cu-2Fe 耐海水性
ステライト#6 Co-28Cr-4W-1C-3Fe
トリバロイT-800 Co-28Mo-17Cr-3Si 高温潤滑性有
高融点金属
モリブデン 99.5Mo 耐焼付性良
MCrAlY合金
CoNiCrAlY Co-32Ni-21Cr-8Al-0.5Y 耐高温酸化腐食
NiCrAlY Ni-22Cr-10Al-1Y 耐高温酸化腐食

溶射コーティングによる金属などへの
表面処理加工を手がけた実績は50年以上

弊社の一貫施工体制がお力になります!
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