金属溶射(Zn・AL・Zn-AL等)
金属溶射とは
溶射法では、多種多様な金属を成膜することができます。(金属、セラミック、サーメット、アモルファス、プラスチックなど)
基本的に、線材や粉末に成型可能で溶融するものであれば成膜することが可能です。
強度アップをはじめ、長期間の防食性の付与のため、亜鉛、アルミニウム、スズおよびそれらの合金をコーティングすることができます。
金属への溶射はもちろん、樹脂・紙などめっき加工が困難なものへの溶射加工も可能です。
金属溶射の特徴
金属溶射皮膜は、他のコーティング法と比較すると以下のような特長があります。
- 厚盛が可能
- 成膜効率が高い
- 母材質を選ばない(鉄、ステンレス、アルミ、銅、セラミック、ガラス、木材など)
- 母材の熱影響が少ない(100℃以下)
- コーティング対象物の大きさに制限がない
- ドライプロセスである
金属素材別の用途例
金属の溶射皮膜については、主に以下のような種類がございます。
金属溶射の溶射法
金属溶射に用いられる溶射法は、主に以下の方法を使用します。
コーティング材料特性一覧
◎最適 ○適する
| 材料名 | 代表組織(wt%) | 用途 | 適用条件・特徴 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 耐摩耗 | 耐熱 | 耐食 | |||
| 低融点金属 | |||||
| 亜鉛 | 99.9-Zn | ○ | 防錆 PH6~12 | ||
| アルミニウム | 99.7-Al | ○ | 防錆 PH4~8< | ||
| 亜鉛アルミ合金 | Zn-13Al | ○ | 防錆 | ||
| アルミマグネシウム合金 | Al-5Mg | ◎ | 防錆 | ||
| 炭素鋼 | |||||
| 低炭素鋼(軟鋼) | 低C | ○ | IH皮膜、厚肉盛補修 | ||
| 高炭素鋼(ピアノ線) | 0.8C | ◎ | 硬化肉盛補修 | ||
| ステンレス鋼 | |||||
| SUS420J2 マルテンサイト系 | 13Cr-0.4C | ◎ | SUS410より硬い | ||
| SUS430 フェライト系 | 18Cr-0.1C | ○ | SUS410より軟らかい | ||
| SUS316 オーステナイト系 | 18Cr-12Ni-2.5Mo-0.6C | ○ | 非磁性 耐食性良 | ||
| 非晶質合金 | |||||
| アーマコア16 | Fe-21Cr-6.5Ni-3.0Mo-2.5B他 | ◎ | ○ | 耐エロージョンコロージョン | |
| 銅合金 | |||||
| 純銅 | 99.8-Cu | 導電線皮膜 | |||
| 黄銅(真鍮) | 66Cu-36Zn | 加工性良好 | |||
| アルミニウム青銅(アルミブロンズ) | 90Cu-9Al-1Fe | 耐焼付き性良好 | |||
| 耐熱・耐食合金 | |||||
| ニッケルアルミ | Ni-5Al | ○ | 下盛材料 | ||
| ニッケルクロム 80-20 | 80Ni-20Cr | ◎ | ○ | 耐高温酸化 | |
| ニッケルクロム 50-50 | 50Ni-50Cr | ◎ | ◎ | 耐高温腐食 | |
| モネル | 67Ni-30Cu-2Fe | ○ | 耐海水性 | ||
| ステライト#6 | Co-28Cr-4W-1C-3Fe | ○ | ○ | ○ | |
| トリバロイT-800 | Co-28Mo-17Cr-3Si | ○ | ◎ | 高温潤滑性有 | |
| 高融点金属 | |||||
| モリブデン | 99.5Mo | ○ | 耐焼付性良 | ||
| MCrAlY合金 | |||||
| CoNiCrAlY | Co-32Ni-21Cr-8Al-0.5Y | ◎ | 耐高温酸化腐食 | ||
| NiCrAlY | Ni-22Cr-10Al-1Y | ◎ | 耐高温酸化腐食 | ||


